SANEI DESIGN PRODUCT

H2O DESIGN

水をデザインする。

We design water.

化学式でいえばH2O。水素が2つと酸素が1つ。
味もなければ、色も匂いもありません。
しかし、日常、私たちが水に感じるのは
心地よさであったり、美しさであったり…
目や耳や肌から伝わってくる、水の質感。
そこには、きっと「デザイン」の力があると思うのです。
「人と対象の間により良い関係をつくること」
それがデザインの役割だとするならば、
その役割を具象化したものこそが「水栓」
とはいえないでしょうか。
水栓をカタチにしていくプロセスこそ、
水をデザインするプロセスそのものなのです。

何モノにでもなれる。
何度でも。

Can be anything, again and again.

インゴット。鋳造前の金属のカタマリ。単なる材料ではありません。
その存在自体が、巧みにデザインされた「循環システム」の一部でもあるのです。
熔かされ、型に流され、冷えて固まって。
製品として世の中に行き渡って仕事を終えたモノたちもすべて資源として回収され、
ふたたびこの形に還元されて利用されます。
一見、無骨なように見えて、合理性を追求し尽くした、とことんスマートな形。
水のデザインはここから始まります。

みえないデザイン。

Invisible designs.

普段、目にする部分ばかりがデザインではありません。
水栓内部に空間をつくる「中子(なかご)」。
このカタチがそっくりそのまま「水の通り道」になるわけです。
しかもこの中子、砂でできていて、
最終的には砂の状態に分解されて取りのぞかれることになります。
要するに、その跡にぽっかりとできる空間こそが成果物なのです。
こうした計算通りの「存在と消失」によって、
水の通り道は型どられているのです。

自然がお手本だった。

Nature is our model.

人はなぜ、自然の風景に魅せられるのでしょうか。
なぜ、川のせせらぎに憩いを感じるのでしょうか。
テクノロジーが進歩すればするほど、
自然の癒しを求める気持ちは、むしろ高まりを増していくようです。

思えば、人もまた自然の一部です。
だからこそ、お手本は自然に求めました。
その存在、音や流れる水の質感までもが
いつも癒しのオアシスであるために。

まるで、小さな宇宙。

A small universe.

地球規模で巡る水循環が一つの巨大なシステムだとすれば、
この限られたスペースの中に小さく組み上げられた世界、
これもまた一つのシステムといえるでしょう。

小さくてもどのパーツにも役割があり、
日本ならではの細やかさを活かしたアセンブリの妙によって
一個の装置として機能する様は、
まるで新しい命を吹き込むかのようです。

言葉はいらない。

Words are not necessary.

優れたデザインというものは、語らずして語る…
寡黙にして雄弁です。
「このように使います」といった説明を添える必要は一切ありません。

どんな人でも直感的に、意識せずともストレスなく使える、
心地よいインターフェース。
おのずと示唆してくれるカタチ。
あらゆる人が毎日使う水栓こそ、
そういうデザインであるべきではないでしょうか。
人と水が出会うのに、言葉はいらないのです。

光と陰に、
理想の美を求めて。

We pursued our ideal beauty in light and shadow.

かの谷崎潤一郎は、随想「陰翳礼讃」の中で、
日本家屋の空間における「闇」と、
漆器の美しさの関係について触れています。
仄暗い闇の中に浮かび上がる、かすかな煌めき。
そこに日本的な美があると喝破したのでした。

ただ水を扱うためだけのモノなら、
ここまで「磨き」に手を掛ける必要はなかったのかもしれません。
けれど、極限まで理想を求めてきたのは、
そこに表現したかったものがあるからです。
日本の風土に育まれてきた美の深淵。
光と陰の織りなす深みそのものです。

栓であり、線である。

Faucet as a line.

思いのままに、出したり止めたり…
その名の通り、水栓は、住まいの中の水の「栓」として機能しています。
さらには、この空、海、大地を巡る水のみち…
大きな循環をつなぐ「線」の一端でもあるともいえるでしょう。
水栓を通じて、世界とつながっている。
限りなく広がる可能性に思いを馳せながら、
「水のデザイン」を追求しています。

H2O DESIGN

未知なる最適解を求めて。
進化を続ける水のデザイン。

In pursuit of the unknown best solution,
our designing of water continues to advance.