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Hirofumi Funato
開発部
船戸 博文
2003年入社
工学部機械工学科系
入社から15年間、水栓製品やシャワーヘッドの開発・設計に携わった後、高いデザイン性や新規性を追求するフラッグシップモデルの開発を担当。
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Sho Shibahara
開発部
芝原 翔
2007年入社
工学部生物工学科系卒
入社後は給水金具などの設計を経て、営業部門の中にあった開発部署で設計に従事。その後、開発四課に移りカスタマーの仕様に応じた製品の開発を担当。
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Naoki Yamaguchi
研究部
山口 真樹
2013年入社
工学部情報学科系卒
電子機器メーカーの生産技術職から転職。入社後はワイヤレススイッチの開発などに携わり、現在は回路設計やソフト開発など電気系のスペシャリストとして活躍。
創業60周年の節目にプロトタイプを開発
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「toccata」の開発は、その前に手がけたプロトタイプがベースになりましたね。
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きっかけは社内の会議で、2014年の創業60周年の節目に開発部と研究部で何か新しいことができないかという話が出たことから。
いろいろな議論をする中で、家電製品の静電タッチスイッチと水栓を組み合わせた製品のイメージができあがってきた。
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最初のプロジェクトチームはリーダーの船戸さんと僕の二人だけでした。
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僕が参加したのは、プロトタイプから製品化に移行するときでしたからね。
プロトタイプはゼロからのスタートだったから苦労も多かったんじゃないですか?
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プロトタイプはパネルも四角のシンプルなもので、できることをカタチにしてみたという性格が強いですね。
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それでも60周年のパーティーに実機を持ち込んでお披露目したときの社内の評価は高かったね。営業も「製品化されたら売りたい」と言ってくれたしね。
機構設計と電気設計で
限られたスペースの奪い合い
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社内の評価もあって製品化が決まり、機構設計担当として僕が参加して3人での開発がスタートしましたが、デザインが決まるまでに時間がかかりましたよね。
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「ふれて楽しむ」といったコンセプトで丸みのあるデザインが決まったけど、後々、このカタチで苦しむことになった(笑)。
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機構面ではプロトタイプでほぼ実現できていましたが、カタログ掲載の時期が決まっていて開発期間が短いのが不安でした。
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製品化の際はタッチパネルの光り方などをブラッシュアップさせたいと思ったのですが、LEDや基盤を設置するスペースの制約で苦労しました。
この問題では機構設計とのスペースの奪い合いでしたね(笑)。
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お互いに譲れないところがあるから。
でも、いいものを作るための建設的なぶつかりあいですよ(笑)。
開発期間がタイトだったことと初の製品ということでイニシャルコストがかからない設計を心がけたけど、最終的にうまくまとまったと思います。
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僕も制御の仕組みから回路設計、組込ソフトの作成までトータルに携われたので、製品化できたときの達成感は大きかったですね。
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「toccata」は2016年に発表。日本インダストリアルデザイナー協会のJIDAデザインミュージアムセレクションで「次代の水栓をイメージさせる製品」として選定されるなど業界でも注目されたね。
「toccata」は新たなチャレンジのためのマイルストーン
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苦労もあったけど、僕にとって「toccata」は電気制御を使った初めての開発だったし、
芝原君や山口君とコラボしながら一から作り上げていく過程は楽しかったね。芝原君は?
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この開発から学んだのは、細部へのこだわりの大切さですね。
時間がない中で設計したこともあり、一つのことをより深く考えるようになりました。
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僕は、電気で水栓を制御する可能性の広がりを感じました。
これからAIやIoTが暮らしの中に入ってくれば今までにない製品が生まれてくると思うので、今後は情報系の知識も身につけていきたいですね。
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「toccata」はデザインや機能の追求だけでなく、新しい発想やチャレンジの方向性を示してくれたような気がします。
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当社は水周り製品の専門メーカーだけど、意欲があれば面白い仕事ができることをもっと学生の方たちに知ってもらいたいね。
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確かに一般の企業に比べれば自由度が高く、技術者の目線からどんどん新しいことを提案していける環境は魅力だと思います。
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最近は山口君のように電気系出身者も増えています。学校の専攻に関わらず、チャレンジしながら楽しく仕事をしたいという方に仲間になっていただきたいですね。