1.施工上の注意
- 設置条件、使用条件をご確認のうえ、器具を選定してください。
- 他所の水栓の使用などにより水圧の変動が起こり、湯の使用中に湯温が上昇することがあります。
ツーバルブ・シングルレバー水栓に比べ、吐水温度の変化の小さいサーモスタット水栓のご使用をおすすめします。
- 水量調節およびメンテナンスの向上のために、キャビネット・流し台内に給湯・給水配管および止水栓を設置することをおすすめします。
- 凍結が予想される場合には、寒冷地仕様の水栓(h表示)と水を抜く設備とあわせてご使用のうえ、水抜き操作を行ってください。一般用水栓は凍結のおそれがある場合に使用できませんが、次の処置によって凍結予防ができる場合があります。
- 水栓より少量の水を出す。
- 配管部に保温材を巻く。
- 屋内の窓を閉めるなどして水栓周囲の温度が氷点下にならないようにする。
- 配管内の掃除・・・・取付前に必ず通水し、配管内のゴミを洗い流してください。
- 給水・給湯配管の確認・・・・通常の配管は左側が湯、右側が水です。正しく接続してください。
- 施工完了後、接続部や水栓に水漏れがないか必ず確認してください。
- 施工後の漏れ検査時には水栓に高水圧(1.75MPaを超える圧力)が長時間かからないようにしてください。
- 施工後しばらく使われない場合や長期間留守にされる場合、水栓の水を抜いておいてください。凍結により破損したり、消毒用の塩素がなくなってしまい、におうことがあります。
- スプレー式水栓をご使用の場合は、シンクや洗面台のホースの下に必ず水受けを設置してください。
- 加飾製品は塗装がはがれやすいため、必ず柔らかい布などで製品表面を保護して作業を行ってください。
- 色調変化(エイジング)する製品は特性上、素手で触れたり、水や汚れが付着すると、色調変化が促進されます。施工の際は、綿手袋等を着用し、製品を素手で触れないようにしてください。
2.適切な使用条件
① 給水・給湯圧力
給水・給湯圧力 |
最低必要水圧 |
最高水圧 |
0.05MPa(流動圧) |
0.75MPa(静水圧) |
- 給水・給湯圧力が0.75MPaを超える場合は、市販の減圧弁などで0.2〜0.3MPa程度に減圧してください。
- 給水圧力は給湯圧力より必ず高くするか、同圧になるようにしてください。
- 給水圧力は必ず0.05MPa以上にしてください。
② 給水・給湯温度
- 給湯温度の設定について:一部の水栓を除く一般水栓の給湯温度設定は85℃以下でご使用ください。水栓が破損し、漏水のために家財に損害を与えるおそれがあります。また、誤作動などによるやけど防止のため、42〜60℃給湯(サーモスタットは50〜60℃)をおすすめします。
- 各シャワーヘッド・シャワーホースの最高使用温度は60℃です。60℃以下の温水でご使用ください。変形、故障の原因になります。
- 給湯機からの給湯管は抵抗を少なくするために最短距離で配管し、配管には必ず保温材を巻いてください。
- 給湯に蒸気を使用しないでください。
- シャワーを使う際には、条件に適したガス瞬間式給湯機の号数(能力)が必要です。四季を通じて快適なシャワーを得るために、給湯能力12号以上をおすすめします。
③ 水質・用途について
- 特に指定のない水栓は住宅用ですので、業務用でご使用になると器具の寿命が短くなります。
3.使用上の注意事項
- やけど防止のために、吐水はじめには必ず温度を確認の上、ご使用ください。
- 用途以外では使用しないでください。
- 逆流防止のため、シャワーヘッドを水没させたまま浴槽にお湯をためないでください。
- メタクリル(アクリル)製のハンドルは消毒剤や有機溶剤を含んだ化粧品・合成洗剤などが付着すると、破損することがあります。付着しないようにご注意ください。付着したらすぐ水洗いしてください。
- 製品についた汚れを拭き取るときは、柔らかい布で水拭きして、よくしぼった布で汚れを拭き取ってください。汚れが目立つときは、中性洗剤を柔らかい布にふくませて拭き取った後水拭きして、よくしぼった布で汚れを拭き取ってください。強くこすると、色落ちしたり、表面素材がはがれるおそれがありますのでご注意ください。
次のものは使用しないでください。
- 酸性・アルカリ性および塩素系の洗剤
- ベンジン・シンナー・ラッカー・アルコール等の溶剤や油類
- クレンザーなどの粒子の粗い洗剤
- ナイロンたわし、メラミンフォームなど
- 色調変化(エイジング)仕様の製品について汚れ等が気になる場合は、市販のクエン酸を水で薄め、柔らかい布に含ませ、拭き上げてください。こまめに拭きとりを実施することで効果が得られます。
- シングルレバーの汚れの拭き取りについて
- レバー部に水をかけないでください。レバー内部に洗剤などが浸入すると、レバー動作が重たくなるおそれがあります。布などを使って拭きあげてください。
- 止水後、シャワーヘッドから水滴がしばらく落ちることがありますが、シャワーヘッド内の残留水です。異常ではありません。
- 凍結時に解氷器等で水栓本体に通電しないでください。水栓内部の樹脂部品が破損します。
- メッキシャワーヘッドに衝撃を与えたり落としたりしないでください。メッキの表面が割れて、ケガをするおそれがあります。
- 一時止水混合栓について
一時止水した状態で湯水ハンドルを閉めないでください。内部の圧力が上昇し、水栓が破損するおそれがあります。
- ストップシャワーについて
使用後はシャワーのボタンを「吐水」にし、水栓のハンドルで止水してください。
- 吐水口の先端に止水機構を持った浄水器などは取付できません。吐水口部から漏水するおそれがあります。
- サーモ混合栓について
温度調節部は工場出荷前に調整済ですが、取付現場の圧力、給湯温度などの条件により目盛りと異なる温度の混合水が出ることがあります。このような場合は、取扱説明書を参照の上温度調節ハンドルの設定を行ってください。
- スチーム(ミストサウナ)ご使用の際は、室内温度の上昇に伴って水栓内の温度が上昇し、ハンドルの動きが悪くなることがあります。
- スプレー式水栓について
キッチン・洗面化粧台のスプレー式水栓は、朝一番の使い始めの水は飲まずに別の用途にお使いください。スプレー式水栓は湯水の滞留量が多く、しばらく使われないとシャワーホース内の水は消毒用の塩素がなくなってしまい、におうことがあります。
4.⽔栓の保証期間について
- 保証期間は保証書に記載している期間になります。保証書は大事に保管してください。保証書が添付されていない商品の保証期間は、支社、支店、営業所にお尋ねください。
- 保証期間内でも有料修理となる場合があります。(詳しくは、製品に同梱されている保証書の内容をご確認ください。)
5.水栓の維持管理について
- 水栓の性能を維持するために定期的な点検・部品交換が必要です。
摩耗劣化部品は、5年を交換の目安としておりますが、逆止弁については、より安全を考え、早め(3〜5年)の点検・交換をおすすめします。なお、コマパッキンは消耗品です。消耗の都度交換ください。
(交換時期は、使用環境などにより異なります。)
定期点検・部品交換
- ①消耗部品とは使われてなくなっていく部品のことです。
-
消耗部品の例
リチウム電池・アルカリ電池・浄水カートリッジ・こまパッキンなど
- ②摩耗劣化部品とは、日頃使用する度に摺動する、または摩耗及び劣化しやすい部品のことです。
-
摩耗劣化部品の例
バルブ開閉ユニット・サーモカートリッジ・ミキシングカートリッジ・逆止弁・シャワーホースなど
- 日頃から、ときどき可動部(吐水口など)を動かしてください。長時間動かさずに使用すると水あかなどが付着し、無理に回そうとすると、水漏れ・異音の発生の原因になります。(月1回を目安)
- 定期的に配管の周り(キャビネット内、点検口内)を見て水漏れがないか、確認してください。(年2回を目安)
- 定期的に、器具のガタツキがないか確認してください。(年2回を目安)
- スプレー水栓について
シャワーホースやその下が濡れていないか確認してください。水受け容器を設置している場合は、水受けに水がたまっていないか確認してください。(月1回を目安)
水がたまっている場合は、水を捨て掃除してください。